「ナヴァル・ラヴィカント」を読んで、資産になることをやろうと思った
こんにちは。AIスタートアップでエンジニア・PMをやっている者です。
「シリコンバレー最重要思想家ナヴァル・ラヴィカント」を読みました。
AngelList という、スタートアップとエンジェル投資家をつなぐサービスをつくった人の本です。といっても本人が書いたわけではなくて、エリック・ジョーゲンソンという人が、ナヴァルのブログやポッドキャストやツイートを何年ぶんも集めて編み直した、という成り立ちの本でした。なので章立ても、物語というより短い断片が積み重なっていく感じです。
タイトルにシリコンバレーとあるので起業本っぽく見えるんですが、中身はけっこう思想寄りでした。前半が富の話、後半が幸福の話です。
で、読み終わって自分に一番残ったのは、シンプルにこれでした。
資産になることをやる。
時間を売っている限り、寝ている間は1円も生まれない
この本には何度も、時間を売って稼ぐことの限界の話が出てきます。時給で働いているかぎり、自分が働いた時間ぶんしかお金は入ってこない。しかも自分の時間には上限があるので、そこが天井になる、と。
言われてみれば当たり前なんですが、改めて文字で読むとけっこう効きました。
自分は営業からエンジニアに転職して、市場価値みたいなものはそれなりに意識してきたつもりでした。ただ振り返ると、やってきたのは全部 「自分の時間の単価を上げる」 方向の努力だったんですよね。スキルをつけて、いい環境に移って、単価を上げる。それ自体は間違っていないと思うんですが、構造としてはずっと時間を売っています。
で、時間を売る仕事は、止めたら止まる。当然ですが、自分が寝ている間はゼロです。
「コードとコンテンツ」は、自分が寝ていても働いてくれる
この本の中心にあるのがレバレッジという考え方でした。
レバレッジには何種類かあって、ざっくり言うと「人を使う」「お金を使う」、そして 「複製にコストがかからないもの」 の3つです。3つめが、この本で言うコードとコンテンツ。ソフトウェアと、書いたもの・録ったものですね。
面白かったのが、最初の2つは誰かの許可が要る、という指摘でした。人を動かすには権限が要るし、お金を動かすには誰かに預けてもらう必要がある。でもコードとコンテンツだけは、誰の許可もいらずに今日から積める。
これは自分にとってかなり大きな話でした。コードもコンテンツも、普段から手を動かしている領域そのものだからです。なのに、それを 資産として積む という発想でやってきたかというと、まったくやってきていませんでした。
書いたものは、自分が寝ていても読まれます。つくったソフトウェアは、自分が別の仕事をしている間も動きます。時間を売る仕事との決定的な違いはそこで、自分の時間と成果が切り離されている かどうかなんだなと。
シリコンバレー最重要思想家ナヴァル・ラヴィカント
アメリカ起業界の仕組みを変えた伝説の最成功者。全行動・全思考・全経験が自分の血肉になる本!「初めての仕事は15歳、違法ケータリング会社の軽トラックの荷台で配達した」 ★全米ベストセラー&28か国刊行!!米・起業界を一新し、アメリカをスタートアップ大国へとのし上げた伝説の男に迫る初の本! ★世界の挑戦者に火をつける言葉の数々。「今最も読むべき本!」「よすぎて2冊買った!」「あなたの人生を変える」等、賛辞続々!! ★米Amazon.comで7200以上、異例の高評価(平均4.7★) ★世界最大手書評サイトGoodreads、1万8000件レビュー超、平均★4.5以上! 自分を動かす最強の本!超弩級のビジネス書が、ついに日本上陸!
「特殊知識」は、自分にとっては遊びに見える
もうひとつ印象に残ったのが、特殊知識(specific knowledge)という言葉でした。
学校や研修で教えられるものではなくて、自分が勝手に追いかけてしまうものの中にある、という話です。他人からは仕事に見えるけど、本人にとっては遊びに近い。そういう領域を見つけて、そこにレバレッジをかけろ、と。
これ、転職の思考法 に出てきた being 型の話とかなり近いなと思いました。あの本でも「やりたいことがなくていい、知らないうちに人よりうまくできていることを見ろ」と書かれていて、言い方は違うけど指しているものは同じ気がします。
長く続けられるゲームを、長く続く相手とやる
もうひとつ、繰り返し出てくるのが複利の話でした。お金だけじゃなくて、人間関係も、知識も、評判も複利で効いてくる、という。
だから短期で刈り取るゲームではなく、長期のゲームを、長期でつき合える相手とやれ、と書かれています。
ブログでいうと、たぶんこういうことだと思っています。一発当てにいく記事を書くより、自分が実際に読んで、実際にやってみたことを、数年単位で積んでいくほうがいい。すぐには効かないけど、止めなければ勝手に増えていく側に立つ、ということかなと。
だから、ブログを改めてやることにしました
このブログ、正直ずっとゆるくやってきました。読んだ本の感想を、思い出したときに書く。それはそれで楽しかったんですが、ここ数年はほとんど書けていませんでした。書いても年に1回あるかないか、みたいなペースです。
しかも、やろうと思っていたことのほうも溜まっていました。デザインを一新したい、WordPressから移したい。ずっと言っていたのに、何年も手をつけられていません。結局それをやったのは今年の2月で、そこでようやくAstroに移しました。
要するに、書くほうも作るほうも止まっていたわけです。
今回この本を読んで、はっきり位置づけが変わりました。これは資産だ、という位置づけです。
書いた記事は消えないし、自分が別のことをしている間も検索から読まれ続けます。書けば書くほど増える。しかも自分の場合、書く対象は読んだ本と、仕事でやっている開発の話なので、どちらも普段からやっていることです。やっていることを、消える形ではなく残る形で出すだけ。
もうひとつ、ソフトウェアのほうもちゃんとやりたいなと。個人開発、何度か手をつけては止まっているんですが、これも同じ理屈で、動くものを1つ置いておけば勝手に働いてくれる側の資産です。
ここは正直に書いておくと、この本を読んだから急に稼げるようになる、みたいな話ではまったくないです。書いた記事が明日から自動でお金を生むわけでもない。ただ、時間を売る以外の稼ぎ方の口座を、細くてもいいから開けておく ということには意味があるなと思いました。今の仕事を辞めたいという話でもなくて、単純に、時間を売る以外の回路をひとつ持っておきたい、という感覚に近いです。
後半は幸福の話でした
前半があれだけ富の話なので、後半が丸ごと幸福の話になるのは構成として意外でした。
面白かったのは、その振れ幅です。欲しいものを増やすほど不幸に近づくとか、幸福は足して手に入れるものではなく余計なものを引いた後に残っているものだとか、かなり抽象度の高い思想の話が出てきます。かと思えば、習慣の話はやたら具体的でした。冷たいシャワーを浴びる、散歩する、セロトニンを増やす。そのレベルまで書いてあります。
思想で終わらせずに、今日やる行動のところまで下りてくる。富の話をあれだけしておいて最後に「で、それは幸福とは別の話だぞ」と釘を刺してくるところも含めて、本としてはかなり誠実だなと思いました。
まとめ
読み終えて手元に残ったのは、こんな整理でした。
- 時間を売るかぎり、自分が止まれば収入も止まる
- コードとコンテンツは、誰の許可もいらずに積める資産になる
- 積むなら、自分が勝手に追いかけてしまう領域で積む
- 短期で刈らずに、長期のゲームとして続ける
断片の集まりなので、通しで読むというより、ぱらぱら開いて刺さったところだけ読む本かもしれません。
自分の場合、残ったのは「資産になることをやる」の一点でした。それで行動がひとつ変わるなら、十分だと思っています。
というわけで、継続的に記事を更新してみようかなと。